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非定型うつ病とは

非定型うつ病

従来の典型的なうつ病とは少し異なる、非定型うつ病という症状が、特に若年層に多く見られるようになってきました。従来のうつ病とどう違うのか、解説します。

定型うつ病とは

まず、定型うつ病とはどういうものかについて、簡単におさらいします。定型うつ病とは、従来型のうつ病で、単に「うつ病」と呼ばれるものです。

定型うつ病は、
「何も楽しめない」
「今まで楽しめていたことに興味を持てない」
など常にやる気がなかったりなど日常生活を過ごす上で大きな支障を来すものです。
普通の人があまり気にならないような身の回りのことに非常に敏感になり、恐怖感を感じたり、悲しくなったりするなどの症状も現れます。
食欲の増加や減少、仮眠や不眠など身体的症状も、定型うつ病の特徴です。

非定型うつ病もこれらの症状を認めますが、一部異なる点もあります。

非定型うつ病と定型うつ病の異なる点

楽しみや興味に対する症状

定型うつ病では気分が常に沈みがち(抑うつ状態)であるのに対し、非定型うつ病では、楽しいことは楽しめるという、気分反応性が認められます。
なので、定型うつ病では、ふだん楽しめていたことを楽しめないのに対し、非定型うつ病では、趣味などを楽しむことができます。
うつ病と診断され休職したものの、休暇を利用して旅行へ行ってみると楽しめることができるなどといった場合は、非定型うつ病の可能性が高いです。

換言すれば、嫌なことには落ち込みや抑うつが感じられるが楽しいことがあると気分が上昇するということです。
誰でも嫌なことをしなければいけないのは憂鬱ですし、楽しいことは楽しいです。
なので、ちょっとしたことが憂鬱だからといって、すぐに新型うつだと自己診断するのは禁物です。
自分の努力や人の協力によって症状が改善するならば、病気と決めつけず、ゆるやかに自分と向き合うことが大切です。

疲労感

定型うつ病でも認められますが、非定型うつ病でより強く認められるのが、疲労感です。
非定型うつ病の疲労感は、「まるで鉛のような」という言葉がぴったりなほど、体が重くなります。

睡眠

睡眠は、うつ病のバロメーターを測るのに大事な要素です。
定型うつ病の場合、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒のいずれも起こりえます。

他方の非定型うつ病の場合、朝の目覚めが悪かったり、ずっとベッドから出ないなどのといったケースが多いです。

対人関係

うつ病やメランコリー親和型性格の場合は、非常に自罰的で、
「常に自分が悪い」
「相手のために何かしてあげねば」
と思うのに対し、非定型うつ病傾向のある人は急に他罰的になったりします。
「自分が配慮しないから他者に迷惑がかかるのではなく、他者が自分に配慮しないから自分が辛い」などと思うのは、通常のうつ病にも見られますが、非定型の場合特に症状が顕著に見られます。

まとめ

非定型うつ病はうつ病と似たような症状を持ちながら、
「不眠を感じることが少ない」
「気分の変調性がある」
などの理由から、うつ病かどうか診断するのは非常に困難です。